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コラム一覧2.デジタル・フォレンジックスの概要①

2.デジタル・フォレンジックスの概要①

2020.03.06

こんにちは、LEGALEXの深山です。

今回は、「デジタル・フォレンジックス(以下、DF)」の全体概要説明のため、活用される場面が多種多様であるDFの分類軸をご紹介したいと思います。

◆利用主体による分類

まずは、DFを利用する主体による分類です。大きく分けて2種類あります。

①法執行機関が利用するDF:刑事訴訟において、警察や検察、証券取引等監視委員会などの法執行機関が、任意提出又は令状による強制力をもってDFを実施するケースにあたります。この歴史は別稿で解説したいと思いますが、「オウム真理教事件」「ライブドア事件」「大阪地検特捜部によるフロッピー改ざん事件」を主な契機として、各法執行機関で整備されてきた歴史があります。

②民間企業が利用するDF:民事訴訟を起こしたり、受けたりする場合に実態解明のためDFを活用するケースがこれにあたります。昨今の不正調査では、「第三者委員会」、「独立調査委員会」、「社内+社外専門家による調査」等のレベルに寄らず、一定水準以上のDFを実施することが重要となってきています。

◆訴訟に関する分類

訴訟に関する分類として3種類あります。

①刑事訴訟に対応するためのDF:現行の各種ルールが整備されてきた状況では、電磁的記録媒体の証拠化には必ずDFを活用し、適切な技術と正しい運用プロセスを用いる必要があります。刑事訴訟を提起できるのは基本的には検察官だけであり、検察官が証拠の証明責任を負うことになります。ただし、刑事裁判が係争中となった後、弁護側の国選弁護人が被告人のスマートフォンに対してDFを用いて解析し、弁明のために裁判に利用するケースもあります。

②民事訴訟に対応するためのDF:民事訴訟においては入手できる電磁的記録媒体やデータに限りがあり、当事者側のデータの解析や証拠化は行えるが、相手方の証拠に対してDFを活用することは難しいことが多いです。よって、主に当事者側の電子データを整理して主張するために用いられるケースが多いです。

③訴訟とは直接関連がない実態調査:実際に裁判にならないまでも、上場企業内での不正・不祥事調査では、ステークホルダー(株主、取引先、社員、証券市場、監査法人、等々)に対する説明責任の高まりから、単なる聞き込みや書面の調査だけでは収まらず、関係するパソコンやサーバのデータをDFを活用して調査する必要が高まっています。

 

次回は、DFの概要の続きを情報処理機器の違いやデータの種類、システムに関する分類で解説していきたいと思います。